シャンプーは毎日する方が良いという意見もあれば、頭皮を弱らせるから毎日するのは良くないという意見もあります。いったいどちらが正しいのかと、悩んでいる人もいるのではないでしょうか。実は、シャンプーを行う適切な頻度は人によって異なります。
そのため、どちらが良いとは一概に言いきれません。自分の頭皮状態によって適切なペースを決めることが大切なのです。ここでは、頭皮や肌のタイプ別のシャンプーの適切な頻度や、髪や頭皮に優しい洗髪方法について紹介していきます。
シャンプーの正しい頻度とは?
シャンプーをする理想的な頻度は、髪や頭皮のタイプ、状態によって異なります。たとえば、髪質や肌質が弱い人、荒れやすい人が毎日洗うと、傷みがひどくなる可能性が高いです。
一方、オイリー肌の人は2日洗わないとべたつきがひどくなったりニオイが発生したりすることがあるでしょう。自分の頭皮や髪はどちらの状態かを見極めて、洗うペースを決めるのが望ましいです。
タイプ別で正しいシャンプー頻度を紹介!
(1)1日以上あけるべき人
髪質が細い人、乾燥肌や敏感肌の人は、1日以上あけて洗うのがおすすめです。いくら低刺激シャンプーを使っていても、肌や髪にまったく刺激とならないことはありません。
洗うたびに地肌や髪に負担やダメージを与えています。刺激に弱い髪質・肌質の人は、毎日シャンプーをするのは避けることが望ましいです。
(2)毎日するべき人
オイリー肌の人は、毎日洗うのがおすすめです。オイリー肌ということは、頭皮の皮脂が過剰に分泌されている状態です。過剰分泌された皮脂が頭皮に長い間留まっていると、雑菌のエサとなって繁殖を許したり、毛穴がつまって頭皮ニキビや炎症を起こしたりといったことが起こる可能性があります。
雑菌が増えるとフケが増えたり、におうようになったりもするでしょう。見た目にもべたついて不潔にみえてしまいます。また、仕事の都合などで日中にチリや埃が舞いやすい環境で過ごす人も、頭には細かな汚れが蓄積してしまいますので毎日洗うことが望ましいでしょう。汚れも雑菌のエサになったり地肌の荒れを招いたりします。
シャンプーの頻度が合っていない場合のデメリット
(1)頭皮が弱ってしまう
シャンプーの頻度が合っていない場合に起こる問題の1つが、頭皮が弱ってしまうことです。頭皮は適度な皮脂が汗と混ざって皮脂膜を作り、肌に含まれる水分の蒸発を防いでいます。ところが、必要以上に洗髪すると必要な皮脂まで取りのぞかれてしまい、皮脂膜が形成できなくなって肌が乾燥してしまうのです。
乾燥がひどくなると、バリア機能が正常に働かなくなります。バリア機能とは、肌を外部刺激から守り、ウィルスなどの異物の侵入を防ぐ役割を果たすもののことです。この働きが低下すると、肌が些細な刺激にも反応しやすくなって、かゆみや赤みを起こしたり荒れたりします。
また、肌の乾燥は血の巡りも悪くします。血液がスムーズに流れないと栄養の運搬も滞り、髪が痩せて抜けやすくなったり薄毛が進行したりすることにもなるでしょう。このように、シャンプーのやりすぎは頭皮を弱らせ、さまざまなトラブルを招いてしまうのです。
反対に、頭皮の状態に比べてシャンプーの頻度が少ない場合は、頭皮に汚れや余分な皮脂が蓄積します。過剰な皮脂は雑菌を招き、肌を荒しますので、こちらも頭皮を弱らせる結果になります。
(2)フケなどの頭皮トラブル
必要以上に洗い過ぎると、頭皮が乾燥することは既に説明した通りです。肌が乾燥すると、バリア機能の低下といった問題のほかに、ターンオーバーのリズムが崩れるということもあります。ターンオーバーとは、肌がもつ生まれ変わりの周期のことです。
肌は、一定の周期で新しい肌へと置きかえられており、古い角質は垢となって自然と剥がれ落ちていっています。自然に剥がれた場合は、角質は小さく細かいため、通常は目につきません。しかし、ターンオーバーのリズムが崩れると未熟なまま見える大きさで剥がれてしまうのです。これが、乾性フケと呼ばれるものです。
また、シャンプーの頻度が頭皮の状態に比べて少ない場合は、皮脂や汚れが蓄積しています。肌がべたついた状態ですので、未熟なまま角質が剥がれてくっつき、大きな状態になって脂性フケとなるのです。
(3)キューティクルが剥がれやすくなる
シャンプーの頻度が高すぎる場合は、髪の表面をうろこのように覆っているキューティクルが剥がれやすくなります。キューティクルは、もともと濡れると少し開くという性質があります。これは水分を内部に取り込もうとする反応です。
しかし、洗髪中に広がるために、洗う過程でひっかかって傷つくことがあります。頻繁に洗っていると、それだけキューティクルが傷む機会も多くなり、結果としてたやすく剥がれるようになるのです。
キューティクルが傷み、剥がれた髪は、内部の水分もケラチンも流れてスカスカに痩せ、表面もガサガサの状態であまり美しいとはいえません。ツヤのある美髪を目指すなら、洗い過ぎはよくないのです。
正しいシャンプー方法

(1)ブラッシング
健やかで美しい髪や頭皮を保ちたいのであれば、シャンプーの頻度を調整するほか、洗い方にも注意が必要です。髪を洗うとき、ざっと全体を濡らしてから手に取ったシャンプー液を直接つけ、ガシガシ洗って流すというやり方をしている人は多いでしょう。しかし、これは髪や頭皮を傷めるため、あまりおすすめできない方法です。
良い洗い方をするなら、まずはシャンプーをする前にブラッシングをしましょう。洗う前に髪を解く理由は、頭皮についた汚れや皮脂を浮き上がらせて落としやすくすること、髪表面に付着したホコリや塵を取りのぞくことなどです。もつれを解して洗いやすくするという理由もあります。
また、頭髪には抜けた髪や抜けかけの髪が留まっていることがありますが、ブラッシングすることでそういった髪をあらかじめ取りのぞけ、洗髪中に指がひっかからず、スムーズに洗えます。
なお、髪の長い人がブラッシングするときは、毛先から少しずつ解していくようにしましょう。頭頂部から一気に下に向けてブラシをかけるようなことをすると、髪が切れたり摩擦で傷んだりする恐れがあります。
(2)予洗い
ブラッシングの次は、お湯でしっかり予洗いすることが大切です。ざっと濡らすだけでなく、指の腹を使ってしっかり洗いましょう。このときのお湯はぬるま湯が肌にも髪にも優しくベストです。あまり熱いお湯は肌や髪への負担になるだけでなく、頭皮が必要としている皮脂を落とすこともありますので避けましょう。
予洗いをする理由は、汚れの大半を先に落とせるからです。ここで汚れをあらかた落としておくと、シャンプーを使う量を減らすことができます。シャンプー液はどれだけ低刺激なものでも肌や髪には負担をかけますので、可能な限り使う量を少なくする方が良いのです。また、髪の内側までしっかり濡れることで、予洗いのあとでつけるシャンプーの泡立ちが良好になる効果もあります。
(3)手で泡立てる
予洗いがすんだら、シャンプー液の適量を手に取って少量の水を足し、こすりあわせてしっかり泡立てましょう。シャンプー液を直接なすりつけるのではなく、よく泡立てた泡を頭にのせて洗うようにします。
直接液体をつけるよりもずっと刺激が少なくなり、泡がクッションとなることで髪同士の摩擦を減らすこともできます。
(4)指の腹でやさしく洗う
シャンプーの本来の目的は、頭皮の汚れを取りのぞいて清潔に保つことです。洗うときは、髪ではなく頭皮の汚れを落とすことを意識しましょう。
このとき大切なのは、爪を立てずに指の腹でマッサージするように洗うことです。力を入れてゴシゴシとこすると、頭皮も髪も傷めますのでやめましょう。優しくもみ洗いするだけで、汚れを落とすことはできます。
(5)しっかり洗い流す
最後は、全体についたシャンプーの泡をしっかりと洗い流します。万が一洗い残しがあると、頭皮の炎症やかゆみを招いてしまいます。髪の量が多い人は内側にぬるつきが残っていることがありますので、特に念入りに洗うと良いでしょう。
耳の後ろや生え際などもうっかり忘れやすいため、意識して流すことが大切です。また、このときのシャワーも肌や髪に負担の少ないぬるま湯がベストです。
適度なシャンプーで健やかな髪に
適切なシャンプーの頻度というのは、頭皮や髪のタイプや状態によって異なります。たとえば、清潔に保ちたいからといって乾燥肌の人が毎日洗うと、頭皮の炎症や髪の傷みといった思わぬトラブルを招くこともあるのです。それぞれの頭皮、髪の状態を知り、自分に合ったシャンプーの頻度を見つけましょう