ヘアドネーションという言葉を聞いたことはありますか?
フリーアナウンサーの小林麻央さんや女優の柴咲コウさんなどが実際に行ったり、ブログで紹介したことで注目を集めています。しかし中には「聞いたことあるけど、どんなことをするの?」という人も少なくないでしょう。そこで今回は、
- ヘアドネーションってなに?
- ヘアドネーションのメリットは?
- ヘアドネーションにお金はかかるの?
などの疑問について注意点も交えながら美容師が詳しく解説していきます。
ヘアドネーションとは?

ヘアドネーションは小児がんや無毛症などの病気を抱えている人や、思わぬ事故などで髪を失ってしまった18歳未満の子供に対して、寄付された髪で作った医療用ウィッグをプレゼントするNPO法人JHD&C行っているボランティア活動です。
通常ではロングヘア→ショートヘアにした際などにバッサリ切った髪を捨ててしまいますが、ヘアドネーションにより困っている子供に届けられる仕組みとなっています。寄付された人毛で作られた医療用ウィッグは、人工毛に比べて自然で綺麗な状態です。そのため、届けられた子供にとっては貴重で嬉しいものなのです。
ヘアドネーションのメリット
(1)寄付活動ができる
寄付活動と言えば様々ありますが、ヘアドネーションは自分の髪を使ってできる唯一の寄付活動です。中にはヘアドネーションをするために髪を伸ばしているという方もいらっしゃるほどです。先ほどふれたように、通常はただ捨ててしまう髪が誰かの笑顔や幸せに繋がるのは素敵なことですよね。
(2)費用がかからない
ヘアドネーションの費用はかかりません。NPO法人JHD&Cができるまでは日本でヘアドネーションを行おうとすると、海外の団体に直接送る今年ができなかったため、費用がかかっていました。しかし2009年に日本でJHD&Cができたことで費用がかからず寄付活動をすることが可能になったのです。
(3)長く伸ばした髪が無駄にならない
美容院でお客様の髪をカットした後、産業廃棄物として必ず処理をしています。しかし、髪は思い出が詰まっている大切なモノ。
特にロングヘアの女性がガラリとイメージチェンジするために切る際などは勇気がいるものです。その人自身の思い出の詰まった大切な髪を無駄にせず、困っている人のために使えるのがヘアドネーションなのです。
ヘアドネーションの流れ
(1)美容室を決める

ヘアドネーションをする際にはまず、寄付用の髪を切ってもらう美容室を決めます。NPO法人JHD&Cの活動に協力している「賛同サロン」で髪を切ることもできますし、普段から行っている行きつけのサロンで寄付用に切ってもらっても大丈夫です。
賛同サロン以外で髪を切る場合は、事前にその旨を伝えておき、JHD&Cが発行した「ヘアドネーションの方法」に従って髪を切ってもらうとスムーズです。
(2)寄付する髪の長さを決める
医療用ウィッグにするために髪を切る場合は、31センチ以上の長さが必要です。かなりの長さを切る必要があるため、事前にカット後のヘアスタイルについて美容師さんと話しておくようにしましょう。
(3)髪を切る

髪を切る際は、小さい束で何本かに分けてゴムで結び、結び目の1cm上をカットしていきます。必ずシャンプー前など髪が湿っていない状態で切りましょう。少しでも髪が湿っていると雑菌やカビの原因となります。また、毛量が多い場合や髪が太すぎる毛束を作ってしまうとハサミが入りにくく、切り口が揃いにくいため注意します。
(4)ドナーシートに記入
髪を切った後は寄付する髪の毛のコンディションを確認するため、JHD&C所定のドナーシートに記入していきます。メモ用紙に記入しても、印刷したものに記入しても大丈夫です。ご自身で用意して美容室に持参しましょう。
(5)返信用封筒を用意

寄付した髪の毛を「JHD&Cが確かに受け取りいたしました」という証明として、ポストカードタイプの受領証を送ってもらうことができます。こちらは任意ですが、希望される方は返信用封筒の作り方をご確認の上、届け先を記入して切手を貼った所定の封筒を同封しましょう。
(6)髪を発送する

髪の毛・ドナーシート・返信用封筒(受領証を希望される方のみ)を1セットにして送付しましょう。複数人の髪の毛を送る場合は1人ずつを上記の通り1セットにしてポリ袋に入れます。ドナーシートと髪の毛を分けないようにすることに注意しましょう。自身の髪をヘアドネーションするまでの流れはこれで完了です。
(7)受領証が届く(希望者のみ)
所定の返信用封筒を同封した方にはJHD&Cから後日、ポストカードタイプの受領証が送られてきます。電話による到着確認や自分の髪がウィッグになったのかの確認電話などは対応していないため、控えるようにしましょう。
ヘアドネーションは子供でもできるの?
「ヘアドネーションは子供でもできますか?」という質問をもらうことが多くあります。結論から言いますと、子供でもヘアドネーションをすることができます。ヘアドネーションについては年齢・性別・国籍等は不問なのです。
中にはヘアドネーションする人はほとんど子供という美容室さえあります。ヘアドネーションを通して子供からでも貢献できるということは素敵なことですね。大人から子供までヘアドネーションはすることができますが、注意点もありますのでしっかりチェックしていきましょう。
ヘアドネーションの注意点

(1)31センチ以上であること
先ほども少し説明しましたが、ヘアドネーション用の髪の長さは31センチ以上と決まっています。中には20センチ程度の長さでも受け付けている団体もありますが、JHD&Cでは31センチと決まっている点に注意します。
女性にとって31センチの髪の長さを切るとなると、見た目も大きく変わるため、担当の美容師さんと相談しながらヘアドネーションを検討していきましょう。
(2)ダメージがひどくないこと
日頃からカラーやパーマなどをしておしゃれを楽しむ女性は多くいらっしゃいます。その反面、髪のダメージは蓄積されていますね。そこで「髪はどんな状態でも大丈夫なの?」という質問も多くいただきますが、ヘアドネーション用の髪は引っ張っても切れない程度の強度が必要だということに注意しましょう。
髪の毛の痛み具合については、自分でチェックしてみても分からないようでしたら、担当の美容師さんに聞いてみましょう。
(3)美容院でやってもらう
次に注意することが、美容院でヘアドネーション用の髪を切ってもらうという点です。もちろん自分で綺麗にカットできるようでしたら問題ありませんが、31センチという長さの規定や髪を小さく束ねてから切るなど素人では難易度が高く難しいものです。
そのためヘアドネーションをする際はヘアカットのプロにお任せするようにしましょう。
(4)髪が必ず乾いた状態でやること
先述したように、髪をカットする際には必ず乾いた状態で行いましょう。少しでも湿っているとせっかくの髪に雑菌がわいてしまったり、カビが生えてしまう原因となります。
医療用ウィッグの到着を待っている子供のためにも、髪は必ず乾いた状態で切るようにしましょう。
ヘアドネーションで子供の笑顔を作りましょう
今回はヘアドネーションについて解説していきましたがいかがでしたか?芸能人をはじめ、多くの方に注目されているヘアドネーションは、悩みを抱えている子供たちにとって非常に嬉しい寄付活動となります。
自分の髪が困っている子供の笑顔の助けになると考えると嬉しいですよね。ヘアドネーションは大人から子供まで幅広い方ができる一方、規定もありますので注意しながら寄付活動を行うようにしましょう。